株式会社新潟放送(BSN) 様

BSNビジョンプロジェクト

Web・APP / Vision management / Company Branding / Internal Branding

2022年、70周年を迎えるBSN 新潟放送様。地方放送局として、ラジオ、テレビを通じた情報によって、人々の生活に安心を届け続けてきました。技術革新や生活者の価値観や行動様式の変化のなかで、70周年をこれまでの70年とは全く異なる未来への転換点と捉え、その起点となる「ビジョン=未来におけるBSNの存在意義」を社内共創プロセスにより構築する「BSN ビジョンプロジェクト」が実施されました。プロジェクトの設計からワークショップなどのビジョン構築のプロセスに並走、その後、ビジョンを起点に社内外へのコミュニケーションを広げていくためのタグライン制作、ビジョンサイトの構築も行いました。

STORY

社員1人ひとりが、自ら意思をもち行動していくスタートライン


生活者や地域社会にとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。クライアントやパートナーにとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。そして、そこで働く社員にとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。

プロジェクトの目的は、ビジョンが構築されることだけでなく、そこを起点に、社員1人ひとりの自らの意思と行動で、イノベーションや新規事業を活性化していくスタートラインとすること。編成部、制作部、技術部、営業部、報道部、アナウンス部、事業部、人事部、財務部、メディア情報センター、経営戦略室と、多様な部門から、中堅・若手を中心に24名のプロジェクトメンバーが集まりました。

【BSN ビジョンプロジェクのプロセス 概要】

  1. トップインタビュー
  2. プロジェクトメンバー キックオフミーティング
  3. ビジョンキャンバス ワークショップ DAY1〜DAY3
  4. ビジョンのブラッシュアップ ワークショップ
  5. 役員プレゼンテーション/フィードバック
  6. ビジョン決定
  7. 社内外とのコミュニケーション ビジュアライズ


1.トップインタビュー
 プロジェクトの礎となる経営者の意思を語る

プロジェクトは、インタビューを通じて経営者の考えや思いを発信することからはじまりました。これまでの歩みや変化、そのなかでの自社のいまやこれからへの考え方、引継ぎたいこと、変えていきたいこと、中長期的な視点での考え、課題感や次の世代に期待すること、そしてプロジェクトへの思いなどをじっくりとお話しいただきました。

組織のビジョンを描き、定めるという大きな決断を伴うビジョンデザインのプロジェクト。そのプロセスのさまざまな局面において、経営者のプロジェクトへの意思はその礎となるとても重要なもの。社長からは「ぜひ、若い人たちに積極的につくってもらいたい。社員同士、お互いに共有し、コミュニケーションをとり、意見を交換しあって欲しい。いまがあって、未来がある。いまをちゃんと見れば、未来が見えてくるはずです。そこを忘れずにいてもらえれば、素晴らしいビジョンができると思っています。それを受け止める準備はできています」との言葉が語られました。

2.プロジェクトメンバー キックオフミーティング
 参加者の状態に向き合い、よりそうプロジェクト設計

これから行なっていく、ビジョンを構築するメインフレームであるビジョンキャンバス ワークショップの実施を前に、24名のプロジェクトメンバーがオンラインで集合。改めて、ビジョンとはなにか、いま自分たちがこのプロジェクトに取り組み、ビジョンを構築する意図、そして、これからはじまるプロジェクトへのメンバー一人ひとりの気持ちが共有されました。

数ヶ月にわたるビジョンデザインのプロジェクトにおいては、参加者の気持ちや状態も変化したり、ばらつきが生じたりするもの。メンバーが自分自身やいっしょに取り組むメンバーの気持ちや状態に向き合い、シェアながら行っていくこと、また設計・運営の際にはプロジェクトのプロセスに裕度を持たせ、メンバーの状態によりそってプログラムを調整しながら進めていくことも大切です。

3.ビジョンキャンバスワークショップ DAY1〜DAY3
 個人ワークと対話の反復でビジョンを生成する



「ビジョンキャンバス」とは、「自分たちに向き合うフィールド」「世の中や生活者と向き合い、変化を洞察するフィールド」「未来の世の中での自分たちの姿を想像し、言葉にするフィールド」の3つのフィールドで構成されるビジョン構築の中核となるフレームワーク。

ワークショップは、それぞれのフィールドごとのテーマに対し、さまざまに専門性や経験、考え方や価値観をもつメンバーが個人でテーマに向き合い、考えること、それを対話しながら表現、共有し、チームとしての共通認識を得て、表現にまとめていくことを繰り返しながら進んでいきます。

今回のプロジェクトでは、DAY1とDAY2の間に、グループごとの対話会を実施。これは、もともとのプロセスにはありませんでしたが、ビジョンキャンバスのフレーム上だけでは共有しきれなかった、プロジェクトに関わるなかでメンバーの抱えているモヤモヤをシェアし、対話を通じて今後よりよいプロジェクトを行っていくための意識や行動へとつなげていくための場として設定しました。対話会の最後には、メンバーから「まだ、まわりの熱量は高まっていないけど、それを俯瞰しているだけじゃ変わらないし、自分にとっても意味がない。まず自分が変わる」「自分ごと化して、これを会社を変えるチャンスをいう気持ちをもつ」「プロジェクトメンバー以外とも共有し、巻き込まないと。まずは自分たちが、楽しく、闊達にやっていることが伝わることが大事」といった発言があり、ここからプロジェクトが加速していきました。

DAY1の「自分たちに向き合うフィールド」、DAY2の「世の中や生活者と向き合い、変化を洞察するフィールド」を経て、いよいよDAY3「未来の世の中での自分たちの姿を想像し、言葉にするフィールド」へ。ここで用いたのは、言葉と絵の2つのアプローチです。実現したい未来の姿、私たちの強み、それを受け取ってほしい相手とその人にとっての価値、これら3つが互いに関連しあっていることを確かめながら言語化。あわせて、そのビジョンの世界観をイラスト化しました。言語化することと視覚化すること、2つのアプローチをを通じて、ビジョンとしてアウトプットしていきました。

5.役員プレゼンテーション/フィードバック
 すべての社員の土台であり、意志であり、目的地として

ビジョンキャンバスワークショップ、その後のビジョンのブラッシュアップワークショップを経て、3つに絞り込まれ、磨かれたビジョン案。これらはすべて、プロジェクトメンバーが納得できている、自信をもって自分たちのビジョンだと言えるもの。それら3つのビジョン案を携え、役員陣へのプレゼンテーションとフィードバックが行われました。フィードバック時には役員の皆様とプロジェクトメンバーによる対話の機会も設定。互いに真摯にビジョンと向き合いながら意見を交わすことで、組織の言葉としてのビジョンの最終調整点を探っていきました。

ビジョンプロジェクトの進行中には、BSN社内にも変化が。社内起業としてブランディングカンパニー「語れ。」が誕生。「語れ。」メンバー主宰によるBSN社内の対話は、さらに濃度が増し、コピーの収斂が進んでいきました。

こうして完成された、すべてのBSN社員にとっての立ち返る土台であり、意志であり、めざす目的地であるビジョンは、ステートメントとともに全社に向けて発信されました。「だれもが、自らの選んだ道を、冒険していく社会へ。」ここに、ビジョンを起点に、社員1人ひとりの自ら意思をもち行動していく、新たな一歩がスタートしました。

7.社内外とのコミュニケーション ビジュアライズ
 ビジョンを軸にコミュニケーションを展開


続いて、フェーズは「語れ。」とdas.の共創による「だれもが、自らの選んだ道を、冒険していく社会へ。」のビジョンを軸に、地域生活者やクライアント、パートナーとのコミュニケーションデザインの設計へ。その第一歩として「BSN VISION SITE」をデザイン、「その一歩、冒険のはじまり。」というタグラインを制作しました。ビジョンのいちばんのキーワードである「冒険」。自分たちとの考える冒険とはなにか、そこに込められた願いや意志、どんな社会をともにつくっていきたいのか、そのスタートラインにたつワクワク感や誇らしさを感じられるビジュアルデザインとして表現しました。

さらに、2022年の元日には新聞全面広告を展開。生活者や地域社会にとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。クライアントやパートナーにとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。そして、そこで働く社員にとって、これから、BSNはどんな存在であるべきだろう。その決意表明ともいえる表現へと定着、発信されました。






Voice

今回のビジョンプロジェクトで事務局リーダーを務められた、新潟放送 経営戦略室の田巻雄治さんにプロジェクトについての手応えや社内での反応、これからに向けての思いなどをお聞かせいただきました。

ビジョンプロジェクトのプロセスのなかで印象的だったこと、手応えを感じたことを教えてください。

DAY1のワークショップの前と後で、みんなの雰囲気が変わったことです。「ビジョンって何の役にたつんだ?」と、最初は訝しげだったメンバーが、DAY1の後「まだよくわかんないけど、私たちは"話し合うこと"自体が足りなかった!」と口々に語ってくれたとき、「この空間から、何かが生まれる!」という予感を得ました。

プロジェクトメンバーの皆さんの変化で印象的なこと、事務局として感じたことなどを教えてください。

コロナ禍が影を落とし、一時ワークショップの存続が危ぶまれる時がありました。そのとき、小班・少人数での対話が行われたことで、逆にメンバー1人1人の自分ゴト化や、ビジョンを作る意味が深まっていく様子が印象的でした。「自分の考えを整理して、言葉にする」ことの難しさと、もどかしい中で紡がれた相手の言葉を「聞いて、受け止める」ことの大切さを、このあたりから、一人一人が実感し始めたと思います。「想像より、ずっと大変だった。だからこそ、意味があった。」というのが、振り返ってみての実感です。

ビジョンを全社に発信後の社員の皆さんの反応、事務局として感じたことなどを教えてください。

直後の社員アンケートでは、大多数が同ビジョンへの賛同を示してくれたことに、まずはホッとしています。これは、ビジョンが社長の思いと重なり、社長の言葉で全社発信されたことが大きかったと思います。ただし、まだこれはスタートに過ぎません。「で、どうなる?」と様子見している方もいれば、「私こそがビジョンを体現するんだ!」と張り切っている方もいます。一区切りはつきましたが、こういうものに、終わりはありません。これから、です。

ビジョンが構築、発信され、これからはその実現を目指していくフェーズとなります。これからへの想いをお聞かせください。

「コミュニケーションを、とめるな!」だと、思います。それは、社内コミュニケーションもそうですが、視聴者やお客様、そして自分自身との対話を、止めない。「だれもが冒険していける社会」って、なんだ? 私の仕事や人生と、どうつながっている? 視聴者は? お客様は?・・・とにかく、話すこと。聞くこと。このプロジェクトを立ち上げたときのスローガンは「呼ぶ声を、聴け。」でしたが、今でもこのポスターは社内に貼ってあります。今後は、そのための「仕掛け」をドンドン出していきたいと思っています。

今、この「だれもが、自らの選んだ道を、冒険していける社会へ」に端を発し、70周年事業として「70の夢応援プロジェクト」がスタートしました。ステーション・メッセ-ジは「走り出せ、夢たち。」。私たちは、コミュニケーションで、社会を良くしていく企業です。県民の皆さんの夢とともに、私たちの夢が、未来へ向けて走り始めています。

TEAM

CONSULTING/PLANNING/FACILITATION:
TAKEUCHI.H KAWATA.T
DIRECTOR:
IMAMURA.T
ART DIRECTOR/DESIGNER:
TAKANO.Y、ARAKI.H
WEB:
INOUE.T、ITOH.E
MOVIE:
TAKANO.J、ENDOH.Y
PHOTOGRAPHER:
LINK UP PHOTOGRAPHY※社外
PRODUCE/COPYWRITING/PLANNING:
YAGI.S、KAKEHASHI.S(KATARE) ※社外

MEMBERS

H.Takeuchi

Planner

H.Takeuchi

T.Kawata

Business Designer

T.Kawata

T.Inoue

Web Director

T.Inoue

J.Takano

Creative Director

J.Takano

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