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【 UX SUMMER CAMP 2020 】インターンシップでUX体験

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【 UX SUMMER CAMP 2020 】インターンシップでUX体験

こんにちは、新潟オフィスの宮尾です。
9月後半となり、少しずつ涼しくなってきましたね。
新潟オフィスでは8/31~9/4の5日間にかけインターンシップが行われ、
長岡造形大学の学生さん4名が参加されました。
今回はそんなインターンシップの様子をまとめてお伝えしたいと思います。

インターンの目的

インターンシップでは、UXデザインの手法を活用した定性調査・アイディエーションからプレゼンテーションまでを5つのフェーズにわけて体験していただきました。

ユーザー視点での課題探索を行い、新しいサービスの考案を行います。普段デザインを学ばれている学生さんなので、今後のデザイン制作のヒントとなれば嬉しいなと思い、プログラム設計をいたしました!

DAY1 前提の理解

初日は「前提を理解する」フェーズ。
午前中は、会社のことやプログラムの説明を行います。

今回は、新潟市沼垂テラス商店街でお店を構えるBOOKS f3(ブックス エフサン)様にご協力いただきました。写真集を中心とした様々なアートブックの販売から、コーヒーやハーブティーなどのドリンク提供を行う本屋さんです。全国から写真家さんをお呼びし、写真展やトークショーなどといった定期イベントも開催されています。
http://booksf3.com/
説明が終わり、いよいよプログラムの実施です。
午後からは、店舗観察やトップインタビューを行います。
こちらで事前に用意したインタビューシートを持ち、お店へ向かいます。
到着すると、オーナーの小倉様が温かく迎え入れてくださいました。

店内を観察させていただいた後、小倉様へトップインタビューを行います。
提供しているサービスやお客様のこと、お店の課題などを聞かせていただきました。
緊張していた学生さんも、小倉様の和やかな雰囲気・言葉にだんだんと笑顔が溢れていきます。

インタビューを終え、お店をあとにしたのちに沼垂商店街に立ち寄りました。
BOOKS f3がある地域を実際に訪れて見ていただきます。

初めて訪れた沼垂の街やお店にみなさんとても興味津々の様子。
こうしてDAY1のプログラムが終了です。
初日からかなり濃いプログラムだったかなと思います。

DAY2 リサーチ

2日目は「リサーチ」のフェーズです。
初日に続いて、今度はお店を利用するお客様を対象にインタビューを行います。

インタビューアはオフィス内でリクルーティングを行い、
実際にお店によく通っている「ハードユーザー」2名と、
名前は知っているがまだ行ったことがない「ライトユーザー」2名へお声がけしました。
また、DAY1と少しインタビューのプロセスを変え、質問項目の設計も体験していただきました。
まずは、インタビュー項目の設計からはじまります。

最初に、明らかにしたいこと・仮説をひたすら付箋に書き出していきます。
書き出した仮説は「お店について」もしくは「ユーザー自身について」に分類をし、
そこから内容ごとにグループ分けをしていきます。

グルーピングをした後は、 質問の流れを考えながら仮説を質問に置き換えていきます。
短時間での設計でしたが、みなさん相談しながら真剣に考えて取り組んでいました!


そしていよいよ、ユーザーインタビューです。
ハードユーザーとライトユーザーでチームに分かれ、自分達で作成した質問内容を実際に聞いていきます。インタビュー中は、質問内容を付け足したり、出てきた言葉や内容を深掘りしたりと、すごく前向きな姿勢で取り組んでいただきました!

インタビュー後は、DAY1とDAY2のインタビュー内容をレポーティングしていただきました。学生のみなさんは、手書きでまとめるのがとても上手で、完成したレポートはどれも見応えがあります!

DAY3 分析

3日目は「分析」のフェーズです。
いよいよインターンプログラムの折り返し地点です!
インタビューで聞き出した内容から、ユーザー像を書き出していき、 1人のペルソナを作成していきます。


ここでは、インタビューで出てきた定性的な内容を分析するべく、
今回のために設計した「イベントカード」を使用した簡易KA法を行いました。
行動情報をイラストで描き、心の声を言語化して書き出していきます。
たくさん出たカードは、行動の背景にある「価値」でグルーピングを行います。

次に、新しいサービスのターゲットユーザーをもう少し明確にするべく、
ユーザーセグメント(軸)を作成しました。
四象限で整理を行うことで、「交流」×「リフレッシュの仕方」といったように、
ユーザーの属性も詳細に見えてきます。

4つの属性をそれぞれ、ペルソナに書き出してもらい、
今回はどのペルソナに対してサービスを考案するか
話し合いで決めていただきました。
ユーザーインタビューの内容や小倉様の熱い思いを加味しながら、
今後のお店のユーザーとなって欲しい、
「交流を好まない × 外でリフレッシュ 」属性のペルソナへと決定しました。ペルソナが決まったところで、イシューと呼ばれる「考えるべきテーマ」を決めていきます。
これを決めることで、どういったアイデアを考えるべきなのかを、チームで見抜けるようになります。

こちらもディスカッションで決めていただき、
個人経営店に対してネガティブな印象を持つペルソナを
ポジティブにするためのアイデア考案へと決定しました!

DAY4 アイディエーション

4日目は「アイデア発想」のフェーズです。
決まったペルソナとイシューに対して、いよいよ新しいサービスを考えていきます。

アイデアを出す前に、ユーザーの次のステップへ進むための課題を見つけるため、
変化ステージマップというフレームワークを使用しました。
ユーザーの障壁となる問題点をたくさん洗い出すことにより、
より具体的な課題の発見とそれに対しての施策やサービスの決定がしやすくなります。

問題点がたくさん出たところで、ついにアイディエーションに入ります。
どういったサービスがあれば解決できそうか考えていきます。
皆さんとても真剣にたくさんのアイデアを考えてくださいました!

たくさん出たアイデアの中から、1人1つのアイデアに絞っていただき、
シナリオシートに落とし込んでいきます。
その時々でペルソナがどのように感じ、どういう行動をするのか、とても具体的に考えていただけたかなと思います。

ここからは、ラストスパートです。
明日のプレゼンテーションに向けての準備をしていただきました。

作成したペルソナに対して、どういうサービス・ツールがあると良いかを
各自で自由にまとめていただきます。
社員からのアドバイスをもらいながら、集中してどんどんと仕上げていきます。

DAY5 プレゼンテーション


最後は社員に向けて考えたサービスを発表していただきました。 皆さん緊張気味でしたが、いざ前に出ると自分の考えたアイデアを堂々と説明しており、その発想力やプレゼン能力に社員一同感心していました。

【四條さん】フライヤーや専用のWEBサイトを使って体験入店ができるサービス提案

お店のコンセプトを記載したフライヤーを設置するアイデアから、 ユーザーの気持ちを汲み取り、 マッチする写真集を提案してくれるサービスを発表してくださいました。 お店の良さをぎゅっと凝縮してくれた、 素敵でとても面白いアイデアだなと感じました!

■BOOKS f3 小倉様からのフィードバック
私の思いを汲み取ってそれをお客様へ伝えるために、お店に対しての偏見を取り除くためのツール制作、とても参考になるアイデアでした。 お店側がお客様に伝えていると思っていたことと、お客様が知りたいことに差異があること、それを埋めるためにいくつかの方法を示せること。 お客様のほしいものへどうアプローチしていけばいいのかなど、これをきっかけに考えていきたいなと思えました。

【根上さん】お店へ気軽に入ってもらうためのWEB改善案
現在のWEBサイトに、 ユーザーのエピソードコンテンツを追加するアイデアを発表してくださいました。 自分と似た人の体験や他の人がお店でどういった体験をしたか知れる とても良いコンテンツだなと感じました!

■BOOKS f3 小倉様からのフィードバック
お客様の不安を取り除く案、店側ではなかなか思い描けないことが多いのでとても参考になります。 そしてお客さん自身にも参加してもらうというのは小さなお店だからこそつくれるコミュニケーションのかたちでうちのお店らしさが出るなぁと思いました。 そして大々的に行うのではなく、現行のサイトに追加するという案はこちらに負担が少なく助かりますね。 イラストを使うことで統一感を持ちつつ、想像力を膨らませられるというのも良いですね。


【布施さん】お店に入れるきっかけ作り
店舗自体の細かな改善を行うことで、 入りやすい雰囲気を作りだすためのアイデアを発表してくださいました。 独自の視点で課題や解決策を見つけてくださり、 我々自身、新たな発見をすることができました!

■BOOKS f3 小倉様からのフィードバック
店内外のレイアウトや細かな改善点、普段店にいるとその感覚が鈍ってしまっているのでたくさん気づきをいただきました。 お店が提示しているものがお客様に届いていない、むしろ入りづらくさせているのか!と正直衝撃でした。 提示の仕方を少し変えるだけでお客様の“わかりづらい”をほんの少し改善できるのだなぁと考えさせられました。 何かを新しくしたり、つくるのはなく、今あるものを見直すこと。いま一度、利用するお客様の視点に立って見てみようと思います。


【夏坂さん】マニュアルを作り気軽に入ってもらえる仕組み作り
お店の入り口にQRコードを貼り、 お店のマニュアルを掲載した専用サイトを発表してくださいました。 QRコードといった面白い発想や、 ユーザーの不安を取り除いてくれる素敵なアイデアだなと感じました! 個々の魅せ方や良さがとてもでており、素晴らしい発表になったと思います。

■BOOKS f3 小倉様からのフィードバック
お店の使い方をお客様が入店前に知ることが出来るというのは、お客様の不安を軽減できるアイデアですね。 「知ることが好きになるきっかけ」という考えも良いですね。お店に入る前に少し出合いがあるというか。 興味を持ってもらうことが足を運んでもらう一歩なのだぁと改めて思いました。あと、シャッターにQRコードだけ貼ってあるのも何だろうこれ?と興味をそそられますね。 ちょっとした遊び心を持っていたいなと思いました。。

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最後に

5日間大変お疲れ様でした。
とても濃密なプログラムとなっており、短時間でのワークが何度もありました。
しかし、その中でも目的をしっかりと把握し、必ず答えを出していく姿にとても感銘を受けました。
参加された皆さんは、UXデザインの手法は初めてとのことでしたが、
柔軟に取り組む様子や学びのスピードの早さに、助かる場面も大変多かったです。
学んだことや、それぞれの良さを存分に生かし、
今後も頑張っていただければ嬉しいです。 今回のインターンシップの様子を動画にまとめました。
5日間のプロセスや学生さん達の頑張りを実際に見ていただければ幸いです。

最後に参加された4名の感想を紹介させていただきます。
■四條さん プログラム自体UXデザインを用いて作られたものであり実に円滑にワークができました。またこれらは全て時間がきっちり決められており、集中的に問題と向き合うようにされていたためとても効率よくワークができた印象を持ちました。しかし実際にインターンで行ったワークを個人一人で行うとプロセスに慣れていないこともありかなり時間がかかり、インターンで行った時よりも取り組みが難しく感じました。また、現在WSのワークシート設計を行っており設計の難しさを実感しているところです。今後の課題は、どのようにしてインターンで学んだデザインプロセスを実際の自分の活動に取り入れることができかだと思います。全てをそのまま活用することはできないため必要な部分を取り入れて活用できるようになりたいです。
■根上さん 参加する前は、UXデザインに触れた事自体あまり無かったので、不安でとても緊張していました。インターンシップ中は、社員の皆様がとても丁寧にご指導してくださったので、本当に楽しかったです。UXデザインの基礎を理解することもでき、プロセスを体験するという貴重なお時間を頂けたこと、本当に嬉しく思います。最終的にしっかりアウトプットができるのか心配に思っていた部分はありますが、社員の皆様に助けていただきながら、プレゼンテーションを終えることができた時はとても達成感を感じました。この気持ちを忘れずに、今後の制作にもぜひ活かしていきたいと思っております。本当にありがとうございました。
■布施さん 企業分析やユーザーインタビューなど、初めてのことだらけで最初はできるかどうか心配していたが、進行やレジュメがとても丁寧だったことから、最後まで興味深く、そして楽しく参加できた。参加する前は、作品制作時の情報収集などは最低限にして作品制作に時間をかけていた。しかし今回のインターンシップに参加したことで、情報収拾と分析の大切さを実感した。それらを時間をかけて行うことで、実際の制作時に悩むことが少なくなり一貫したテーマで完成まで持っていけることがわかった。今回のインターンシップは私にとって、目から鱗の連続でした。五日間ありがとうございました。
■夏坂さん 参加させていただく前は、UXデザインという言葉はよく聞いていながらも実際どのようなことをするのか理解できていませんでしたが、「相手のことを知り、何をしたら喜んでもらえるのかを考える」という説明を聞いて、どこを目指せば良いのかが理解できました。他の人の意見を聞きながらアイデアを考えていくのは多方面から進めていけているような感覚があって楽しかったです。丁寧に指導していただいたおかげで、以前の自分にはなかった考え方が増えたと感じます。本当にありがとうございました。

執筆者

N.Yokoyama

誰かのためになること、それが私の作りたいデザイン

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