社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会

ミドルマネージャー研修「ビジョナリーなリーダーとして成⻑するために」

ワークショップ / Vision management / Internal Branding

ミドルマネージャー研修「ビジョナリーなリーダーとして成⻑するために」

「すべての人が安心して暮らすことのできる共生社会を実現する」を統一ミッションとし、障害福祉サービス事業、地域生活支援事業等、多岐にわたる福祉事業を展開する社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会様。デジタル・アド・サービスではこれまでに、福祉施設の中長期の計画づくりへとつながるアクション発想のワークショップや、新しくできる福祉拠点のコンセプトづくりからの並走等、さまざまな活動を継続的に支援させていただいています。今回は「ビジョナリーなリーダーとして成⻑するために」と題して実施した、ミドルマネージャー層を対象とした研修についてお伝えします。

STORY

経営と現場をつなぐミドルマネージャー層
ビジョンやリーダーシップに関する共通の認識をつくる


約2,000名の職員が在籍する東京都手をつなぐ育成会様。今回の研修には、法人本部 事務局 次長、エリアマネージャー、中核的な施設の施設長を中心に、組織において経営と現場をつなぐ存在であるミドルマネージャー層の職員、約30名が参加しました。

研修のタイトルは「ビジョナリーなリーダーとして成⻑するために」。「組織におけるビジョンとは」「ビジョナリーであることとは」「リーダーシップのあり⽅とは」といったことについて、ミドルマネージャー層の人材が共通の認識をもち、組織内はもとより、業界や地域に対してリーダーシップを発揮していくことにつながる基盤づくりの機会とすることを目的として研修を実施しました。

研修プログラムを通じてのテーマは大きく4つ。
①組織がビジョンをもつこと
②ビジョナリーであるとは
③ビジョナリーなリーダーとは
④ビジョナリーであることの源泉

デジタル・アド・サービスのビジョンの構築と実装に関わるサービスである「ビジョンマネジメント」の考え方やフレームをベースに、書籍『ビジョンとともに働くということ』(山口 周・中川 淳/祥伝社)を参考書籍として使用、社会福祉法⼈東京都⼿をつなぐ育成会 事務局⻑ 仁⽥坂和夫さんとデジタル・アド・サービス 代表取締役社⻑ 村⽥尚武が講師を務めました。

ビジョンマネジメントとは?
組織や地域の現場でビジョンデザインを実践し、多様なステークホルダーとともに価値と未来を共創していくための設計、仕組み。組織や地域のメンバーが参画しながら、ビジョンの構築と実装ができるように、ビジョンマネジメントをプロジェクトとして計画し、その実践に併走しています。
▶︎詳しくはビジョンマネジメントのホームページをご覧ください。


⾃らの考えをアップデートし、
これからの活動につなげられるプログラム設計


研修は、研修前・当⽇・研修後の大きく3つのパートで構成。そのプロセス全体を通じ、知識や情報をインプットすること、個⼈としてテーマに向き合うこと、他者と共有・対話すること等の組み合わせにより、⾃らの考えをアップデートし、これからの活動につなげていくことができるように、プログラム構成、場づくり、⼿法等を工夫しました。

ピックアップ:
研修当日の様子とプログラムのポイント


研修当日は、約3時間のプログラムで実施しました。


上記のプログラムのなかからいくつかをピックアップし、研修の様子やポイントをお伝えします。

2.組織がビジョンをもつこと
ミッションとは? ビジョンとは? ロードマップとは? 組織に関わる⾔葉の考え⽅やそれぞれの関係性について、概念的な部分を解説。組織が「ドライバー」となるビジョンをもつことの重要性についてを全体で共有することからスタートしました。



3.ケーススタディ ひだまりの⾥きよせ サブミッションを例に(ワーク)
法⼈内の1施設(ひだまりの⾥きよせ)のサブミッション(法人全体の統一ミッションに準ずる、施設ごとの基本的な理念)を取り上げ、「サブミッションの⽂章を分解し、実現へのステップを洗い出す」ケーススタディ(グループワーク)を⾏い、概念的で抽象度の⾼い⾔葉を具体的なものへと解像度を上げていく流れを参加者の共通の体験としました。


4.ビジョナリーであるとは
ここまでに、インプットとケーススタディを通じて、ビジョンとは、組織がビジョンをもつ意味、ビジョンに意識的になることで⾒えてくること等を共有。続いて、広く「ビジョナリーであること」に重要な3つの要素についてお話ししました。


5.ビジョナリーなリーダーとは
6.リーダーの6つのスタイル
組織が求めるビジョナリーなリーダーとはなにか? ビジョンと事業をつなげる実際の取り組みをベースにそのあり⽅を説明。⼀⽅で、組織の⼈事考課という制度のなかで求められてきたものとのギャップについても⾔及。さらに、コーン・フェリー社が提唱する6つのリーダーシップのスタイルとその発達段階を紹介し、ビジョン型のリーダーシップが、経験の積み重ねの上で発揮できるものであることを共有しました。



7.対話を通じた更新 事前ワーク①の共有と対話(ワーク)
ここまでのインプットやグループワークを受け、研修前のワークとしても取り組んだ「3つの問い」に再び向き合い、グループで対話を⾏いました。

対話する3つの問い
①ビジョナリーなリーダーってどんな存在?
②ビジョナリーなリーダーに必要な能⼒とは?
③福祉施設がビジョナリーであることがなぜ必要?

ここでは、単に事前のワークを共有することではなく、考えを伝え・聴くという対話のプロセスを通じて、考えが更新されていく参加者1人ひとりの体験を重要視しています。




8.ビジョナリーであることの源泉
9.対話を通じた更新 事前ワーク②の共有と対話(ワーク)
10.⾃分⾃⾝のビジョンに気づく、⾔葉にする(ワーク)
11.⾔葉にしたビジョンの共有(ワーク)
研修の終盤は、自らのビジョンに気がつき、アウトプットするプロセスです。はじめに『ビジョンとともに働くということ』から、ビジョナリーであることの源泉についての考え⽅を紹介。続いて、研修前に取り組んだ「自分自身に改めて向き合い、ビジョンの源泉となるものの手がかりを探る」ワークを共有。互いに問いかけ、聴くというプロセスを通じて、自らのビジョンへとつながる意志への気づきを深め、最終的には、1⼈ひとりのビジョンを⾔語化しました。


ミドルマネージャー層の共通の体験づくりを
組織能力の向上につなげていく


研修の約1ヶ月後、東京都手つなぐ育成会様法⼈本部では、「みんなで描く東京都⼿をつなぐ育成会モデルタウン構想」をテーマとしたワークショップ(※)を実施しました。ワークショップのなかでも「ビジョナリー」「バックキャスティング」といった⾔葉が、参加者同士の共通⾔語として使われるなど、組織に根付きはじめている様⼦がうかがえました。

※法人本部でのワークショップ:視座を上げて未来のありたい姿を考え、共有しながら、そこにつながるさまざまなアクションを発想する場。法人の理事や監事、本部職員や事業所職員、東京都手をつなぐ親の会、東京都手をつなぐ育成会と連携する地域法人協議会等から約30名程度のメンバーが参加し、2020年から毎年実施しています。



中⻑期かつ⾼い視座をもち、組織メンバーと共創しながら、組織の⾼次の⽬的やありたい姿を描き、メッセージとして打ち出すこと。計画へと落とし込み、その実現に向けて組織全体で活動を推進していけるようにすること。今後もこうした研修を通じて、経営と現場をつなぐミドルマネージャー層が認識をともにし、⾃分ごととして捉え、⽇々の仕事へと接続していけるための共通の体験をすることで、組織活動の基盤をつくり、組織力を高めることにつながる支援をしていきたいと考えています。


Voice

研修を終えて
ご参加者の声のご紹介


研修後に実施したサーベイの結果およびご参加者の声をご紹介します。

今回の研修を100点満点で採点すると何点ですか?
・・・平均83点
<点数の理由>
・リーダーのあるべき姿について、参加者で考えながら学びを得られた。
・先を⾒据えたリーダーのあり⽅、そのためのヒントをたくさん得られた。
・ビジョナリーなリーダーとして成⻑していくための現状とのギャップを認識できた。
・研修後、部下とビジョンの実現のために協議、⾏動することが増え、成果を感じる。
・この先、学んだことを実践できて100点になると思うので能動的に取り組みたい。

今回の研修を職場で⽣かすことができそうですか?
・・・平均4.1ポイント(5段階/5が⽣かすことができる)
<どのように生かすか/どんな⾏動をするか>
・⾃⾝の所属する組織のメンバーに研修の内容を共有する。
・会議のなかでミッションやビジョナリーであることについて共有する。
・職員1⼈ひとりに、それぞれがどのような⽬標(ビジョン)をもつのかフィードバックする。
・事業計画作成の際に、各事業のビジョンを検討し、具体的な計画につなげる。
・⾃分の⾔葉で考えを発信する、共有することを進める。

気づき・学び・⾃⾝の変化など
・ミッション、ビジョン、ロードマップの構造を理解でき、組織を動かす際に、ビジョナリーの考え⽅を活⽤できると感じた。
・新任施設⻑として舵取りに悩んでいたが、6つのリーダーシップの型がとても勉強になった。
・グループワークでは、対話する場の醍醐味と重要さを再認識した。
・⼈は魅⼒あるビジョンに惹かれ、同じゴールを⽬指して⽀え合い、オーバーラップし合い、
 ビジョンを実現していくことを、⼩さな変化だが⽇々のなかで感じられるようになってきた。
・仕事の社会的意義を考え、共有する研修は画期的で意義深い。
 ⼀般職員にも広げ、意義のある組織⾵⼟づくりに発展させていけるとよい。

TEAM

ACCOUNT EXECUTIVE/LECTURER:
N.MURATA
CONSULTING/PLANNING:
H.TAKEUCHI
PHOTOGRAPHER:
S.OGIHARA

MEMBERS

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Account Executive

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